


文科省、新施策「元素戦略プロジェクト研究拠点形成型」では省庁連携を強化
[2012/02/16] |
2012年2月14日に文部科学省は元素戦略プロジェクトの新施策「研究拠点形成型」の概要を公表した。日本の製造業が、材料や部品などで“キーパーツ”を持ち続けて、その応用製品などで国際競争力を維持するためには、高性能な材料・ナノテクノロジー分野での研究開発成果が不可欠との視点に基づき、「元素戦略プロジェクト研究拠点形成型」を平成24年度(2012年度)から始めるもの。
同施策は、平成19年度(2007年度)から5年間実施された元素戦略プロジェクトの後継施策である。元素戦略プロジェクトは平成19年度から平成21年度(2009年度)までに16研究開発テーマが採択された。前回は、各大学や研究系独立行政法人の研究室単位のチームで研究開発を実施したのに対して、今回の新施策の研究拠点形成型では、異分野の研究グループによる研究開発ネットワークを日本に構築することが大きな特徴になっている。
今回は、材料分野の対象領域を「磁石材料」「電子材料」「触媒・電池材料」「構造材料」の4領域に絞り込んだ点が特徴。各材料領域の事業期間は10年と長く、「材料分野での小規模なWPI(世界トップレベル研究拠点プログラム)と考え、例えば希少金属(レアメタル)を用いない新規材料を開発するのが狙い」と、新政策を担当する研究振興局基盤研究課のナノテクノロジー・材料開発推進室は説明する。
例えば、磁石材料領域では、耐熱性を確保するために添加しているディスプロシムを用いないネオジム・鉄・ホウ素磁石の実用化などの高キュリー点・高保持力の高性能磁石の開発を目指す。
研究拠点型では、10年間の研究開発期間の中で、優れた研究開発成果が得られれば、その時点で実用化に向けた研究開発を推進するために、例えば経済産業省などの技術開発プロジェクトにつなげる計画だ。その対象施策は、現在、経産省が企画している「未来開拓技術プロジェクト」などが考えられている。
例えば、磁石材料領域で優れた研究開発成果が誕生すると「次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発」などのプロジェクトに適時つなげ、自動車や電機などのユーザーの評価を受けるなどの産学官連携につなげる計画である。また触媒・電池材料領域では、優れた二酸化炭素系の触媒の研究開発成果が見いだされると、経産省の「革新的触媒による二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発」などのプロジェクトにつなげたいとしている。このため、文科省と経産省間には“ガバニングボード”を設け、研究開発成果の展開を綿密に連携して進める態勢を構築する予定である。
元素戦略プロジェクト研究拠点形成型の平成24年度の予算は22.5億円(見通し)で、「磁石材料」「電子材料」「触媒・電池材料」の3領域には1年間に6〜7億円の支援額を支給する計画である。「構造材料」領域は、支援金は約1.5億円の見通しになっている。元素戦略プロジェクト研究拠点形成型の公募の締め切りは、3月26日午後0時である。(技術ジャーナリスト 丸山正明)

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