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研究開発型ジョイント・ベンチャーの理想形を追求 共同研究のためのビークルには,(1)株式会社・日本版LLC(limited liability company:合同会社),(2)日本版LLP(limited liability partnership:有限責任事業組合),(3)技術研究組合などがあるが,(1)と(2)の“いいとこ取り”をしたものが(3)である。 (1)は,法人格を有する点が利点であるが,研究開発費用を拠出する参加企業が拠出金を費用処理できない点が欠点である。また,設立した株式会社・日本版LLCにおいては,資本金を取り崩して研究開発するため,収益がなければ欠損金が累積し,上場や資金調達に支障を生じる。 (2)は,参加企業が拠出金を費用処理できる点が利点であるが,法人格がない点が欠点である。 (3)は,その運営費用をメンバーから集める“賦課金(注1)”によりまかない,メンバー企業は支払った賦課金を自社の研究開発費用と同様に費用処理できるため,税負担を軽減できる。また,支払った賦課金は研究開発税制の対象となるので,メンバー企業はその8〜10%を法人税額から控除できる。さらに,技術研究組合においては,賦課金で取得した試験研究用資産(特許権など)については簿価1円まで“圧縮記帳(注2)”できるから,当該資産を取得する年度において,取得価額のほぼ全額を損金算入して税額を発生させないことができる。また,技術研究組合においては賦課金により研究開発を行うため欠損金が累積せず,会社化後の上場や資金調達に支障がない(図1)。
研究成果を一元管理しスムーズに事業化 従来の鉱工業技術研究組合は“営利事業”ができなかった。研究開発終了後に解散しなければならず,特許権などの研究成果は特定メンバーが単独で所有するかメンバー間で共有するしかなかった。解散後に,事業化のために特許権を再び集めようとした場合,一人でも反対すれば必要な特許権が集まらない。経済産業省産業技術環境局技術振興課長の奈須野太氏(現:経済産業政策局産業組織課長)は「解散は事業化の大きなリスク」と指摘する。 技術研究組合は,メンバーの3分の2以上の賛成があれば,解散することなく会社に組織変更できる。法人格を持つため,その名義で研究設備や特許権の登記・登録,銀行取引など各種取引,許認可を取得できる。ノウハウを含めた研究成果を一元管理でき,研究成果をスムーズに事業化することができる。「標準化活動なども事業として進めることができるだろう」(奈須野氏)。 大学発ベンチャーにも有利 (次ページへ)
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