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柴田英寿のアントレプレナーシップ論 オープンスクール


アントレプレナーシップ論オープンスクール〜第5回〜
チームで起こること

[2009/08/12]

 チームではさまざまなことが起こります。アントレプレナーシップ講座論オープンスクールの受講生のチームで起こることは,大きな会社の組織で日々起こっていることと変わりありません。チーム内で起こる“すれ違った議論”を“熱い議論”と勘違いしてしまうことがしばしばあります。生産性が低い時間を共有したことを“青春の1コマ“と思いこんでいる人も多いです。


ミーティングに来ない
 こういうメンバーもいます。その場にいるということはそれだけでたいへんな労力です。そして,それをストレスと感じる人もいます。ストレスを感じると,楽な選択をする理由を探します。サークルがある,バイトがある,体調が悪い,何か理由をつけて来ないのです。それは「逃げ」なのです。同じ時間帯に他の用事があることではなく,自分がチームのメンバーとしての責任を果たせていないことがミーティングに来ない本当の理由である場合が多いです。一番大変なことを最優先することは大変なことです。しかし,それから逃げてしまえば,何かを成し遂げられる人にはなれません。

遅刻してくる
 集合時間に関する感覚は人によって違います。最初の議論は,後に続く時間に比べて議論の範囲などを共通認識するためにとても重要です。遅れてきた人が議論を客観的に見ることができる面も確かにあります。しかし,現実的には,遅れてくると議論に入れない,議論についていけない状態になることがほとんどです。多くの人が集合時間ぎりぎりに到着する予定を立てます。当然,間に合わないことが多くなります。時間より早く到着する習慣を身に付ける必要があります。

会話のデットボール
 誰かが話していると,自分が話したいことが思いついてきます。そうすると相手の言っていることは頭に入らず,自分が次に言うことで頭がいっぱいになります。そしてお互いが自分の言いたいことを言い合ってしまうのです。相手が言ったことか自分が思いついているので,この状態を発想が広がっている状態だととらえる人もいます。確かに誤解やすれ違いが発想を生みだすものです。しかし,延々と発想していては,議論が収束しません。

各自が自分の番でしか働かない
 課題を発表することになった人がすべての準備を引き受けざるを得なくなることがしばしばあります。チームのメンバーで順番に発表をするとしても,発表者だけが準備をするのでは,チームであることの付加価値はなくなっています。発表者が最終的な論旨を決めるとしても,「他のメンバーの発想や知識をどれだけ発表に盛り込めるか」が発表の質を決めます。発表者は他のメンバーの意見をどのように自分の考えと関係付けるか,他のメンバーは,いかに発表者によい発表をさせるかがチームとしての準備となります。

まとめる人がいない
 チーム全体の議論の状況を見て「どうまとめようか」と考える人が出てこないことがあります。一人でもそういう人が出てくると大変助かります。二人出てくるとその二人で相談し合えるのでとても強力です。アントレプレナーシップを学ぶ受講生でも自分からまとめようとする人はなかなかいません。まとめる人が出てくると他のメンバーがその人に依存してしまう傾向もありますが,誰もまとめる人がいない状況よりは救われています。

自分がリーダーだと思い込む(100%悪いわけではない)
 チームのリーダーの決め方は難しい問題です。1番強い思いを持ち,1番良く働き,1番気遣いをする人がリーダーになれば問題は起こりません。そうでない人が「自分がリーダーだ」と思い込んでしまうことがあります。また,リーダーの気遣いが足りないために,他のメンバがやる気をなくしてしまうことも良くあります。場合によっては,リーダー然として振舞う人への個人的な反感からチームを抜ける人が出ることもあります。

 こういう状況は必ず起こることで簡単に解消できるものではありません。強いて解消していく方向性を言えば,

・出席する
・相手の話をよく聴く
・チームのこと,メンバーのことを思う

ということになります。



柴田英寿
柴田英寿氏 2002年から2006年まで日本知財学会理事。2002年から5年間,東京大学先端技術研究センターにて特任教員,非常勤講師としてアントレプレナーシップ論の前身講座を開講。知的財産権の研究会であるビジネスIPRとして韓国の同種団体IPMSとの交流や知財ゲームの普及などを展開。毎週水曜日朝に開催する朝食会(赤坂ブレックファーストクラブ)も有名。著書,寄稿多数。株式会社日立製作所勤務。著者ポータル




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