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――「知的財産アナリスト養成講座」を企画した背景について教えてください。
近藤氏: ここ10年、事業競争力強化に向け、知的財産を活用した経営戦略、成長戦略を語る際、「研究開発、知的財産、事業の三位一体による経営」というフレーズが象徴的に使われてきました。しかし、こうした知的財産経営を実践し、事業を国内外で大きく成長させたケースは、国内の大企業でもそう多くはないのではないでしょうか。経営戦略と知的財産の連携は、企業にとっての長年の課題であり、実際、企業各社でも経営マネジメント層に対する知的財産教育や、研究開発・知的財産部門に対する経営マネジメント教育が、様々な形で行なわれています。ただ、経営と知的財産の間には、「経営情報」と「知的財産情報」の間に情報の壁がまだあるようです。 ――本講座の主な特長について教えてください。
伊藤氏: まず、受講資格があることです。弁理士、知的財産管理技能士、技術士、弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士、証券アナリストなど、知的財産、企業経営、ファイナンスに関わる専門家を対象としており、当該分野の専門性をベースに専門性の広域化を図る講座となっています。
近藤氏: 研修の中には「知的財産調査」「知的財産情報解析」といった特許情報検索や特許マップ作成ツールを活用した具体的な特許調査・分析手法などを学ぶ講義もあります。しかし、必ずしもサーチャーの実務レベルの高度な調査スキルを求めているわけではありません。知的財産アナリストとして重要なのは、知的財産情報を経営課題やビジネスモデルに組み込むための視点であり、専門家を起用した場合でもこうした視点を持ったディレクションが求められます。 ――本講座を通じて、どのようなスキルが身に付くのでしょうか。
近藤氏: 企業内の方は社内コンサルタントとして、企業外の方は社外専門家として「知的財産情報」を「経営情報」に加工できる力。イメージとしては、知的財産を活用した経営戦略、事業戦略を具現化していくために必要な、経営マネジメント層に対する各種レポート作成能力、説明力です。例えば、事業企画、研究開発、知的財産各部門が集まる自社会議での基礎資料であったり、新規事業参入、撤退する際の競合企業、パートナー候補企業の動向調査レポート、知的財産情報を含むIRレポートなどです。経営の視点に立ち、知的財産情報をいかに経営情報に“翻訳”していくかが重要です。 ――第1期講座を終えて、受講者の評価・反応はいかがでしたでしょうか。
伊藤氏: 第1期には、弁理士、知的財産管理技能士をはじめ、弁護士、公認会計士、税理士、証券アナリスト、技術士、中小企業診断士など、当初の想定通り幅広い層の専門家が参加しました。いずれも、40〜50代の実務経験豊富な受講生が多かったです。「クライアントに対して出願業務とは別に、特許情報を戦略的に活用したコンサルティング業務を志向する良い機会になった」(特許事務所・弁理士)、「知的財産アナリストに期待されるの仕事内容、活躍の場を具体的にイメージすることができた」(メーカー知的財産部・弁理士)、「企業の実力値の評価やM&Aを考える際に財務評価に加え、法務面、技術面でのデューデリジェンスを適確に実施するための視点、手法、それらの重要性を学びました」(証券アナリスト)といった声があるなど、これまでにない視点と、本講座の意義に賛同いただいた各分野の実務経験豊富な講師陣の熱心な指導もあり、終了後の受講者アンケートでは総じて満足いただく結果となりました。 ――今後の展開、抱負について教えてください。
近藤氏: 今回は、人材育成事業の一環として養成講座の形で開講しましたが、「知的財産アナリスト」の役割と重要性を広く認知させ、活躍の場を広げるためにも、近い将来、資格化も視野に入れています。また、本講座が知的財産に関わる様々な専門家にとって、お互いのスキルや知見を高め合える場となるよう、支援していきたいと考えています。現在は、特許を中心とした知的財産情報を扱うカリキュラムになっていますが、コンテンツビジネスでも活用できるカリキュラムも開発し、より広い領域の方に役立つ研修プログラムを企画していきたいと考えています。 (聞き手:池田英一郎=テクノアソシエーツ) |
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