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日本弁護士連合会・弁護士知財ネット事務局 弁護士・三尾美枝子氏に聞く(下) [2006/02/22] 日本弁護士連合会は,知的財産をめぐる法律問題に対する支援を目的として「弁護士知財ネット」を2005年4月に創設した。同ネットは,日本全国に8カ所の支部を置き,企業,大学,各種団体,個人が,弁護士に容易に連絡・相談できるようにしている。日本弁護士連合会の知的財産政策推進本部事務局のメンバーで,弁護士知財ネット事務局を務める弁護士の三尾美枝子氏(シティユーワ法律事務所)に,最新の活動動向と知財法務の重要性を聞いた。 (まとめは河井貴之=日経BP知財Awareness編集) リスクの回避や未然の抑止も法務の重要な役割 実際に,弁護士知財ネットへ企業や個人から直接に法的な相談を寄せられた事例が数件ある。発明や特許権の侵害に関する相談が多く,内容に応じて相談者が在住する地域の専門弁護士を紹介している。 一般に「法務活動」というと,訴訟など係争段階に注目が集まるが,リスクの回避や未然の抑止もその重要な役割である。例えば,他社と契約を結ぶ際には弁護士に法的な観点から精査を依頼し,アドバイスを聞くなどが必要になる。 知財を含め法務は「専門部署の仕事」ではなく,企業全体で取り組むべき問題である。これは大企業も同様である。今後,例えばIPO(新株公開)やM&A(企業の買収・合併)などの場面においても,知財の果たす役割が大きくなる。こうした経営課題の中で知財が占める割合が高まる状況に対しては,「企業全体で知財をどう扱うか」といった広い意味での知財戦略の構築が不可欠であり,それに並行して知財に関する法務の重要度は必然的に増すと思われる。 2006年春に開設予定の「日本司法支援センター」などとの連携を通じて活動強化 民間企業を始めとして,地方公共団体,大学などが知的財産と知的財産権を積極的に保護・活用していく上では,知財を習得した弁護士の関与が不可欠である。今後はこの関与をさらに深める必要がある。2006年,弁護士知財ネットは主に2つの目標を掲げ,活動を促進して行く予定だ。 第1は,弁護士知財ネットをより多くの人々に知ってもらうと共に,実際の活用の機会を増やすこと,である。この一環として2006年春に開設される「日本司法支援センター(法テラス)」との連携を強化して,広く一般に弁護士知財ネットへのアクセス機会を増やしていく。日本司法支援センターは独立行政法人に準じた法人であり,地方裁判所の本庁所在地や,いわゆる「弁護士過疎地域」など全国50カ所に拠点を設置する。具体的には,法的紛争解決に役立つ情報の提供や相談機関の紹介,民事に関する法律についての扶助,国選弁護に関係する業務,司法過疎対策,犯罪被害者への支援,などに取り組む。 第2は,弁護士同士あるいは弁理士,企業の担当者,地方公共団体や教育機関の関係者といった他の知財人材との協働を積極的に進めることである。2005年度に弁護士知財ネットでは,若手からベテランまで幅広い弁護士が参加した判例の研究や情報の交換を内部で進めている。2006年は他の知財人材との交流や協同研究などの場を増やしつつ,機会があれば,こうした活動の成果を広く一般にも発信したいと考える。 (前回の記事)
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