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ソフトウエア特許に関する現状とその行方 弁理士・土生 哲也氏に聞く(上) [2005/09/29]
コンピュータ・プログラムを保護するソフトウエア特許と著作権 ソフトウエア特許の中でも,数年前には「ビジネスモデル特許」に関心が集中した感があるが,最近はコンピュータ・プログラムにも注目が集まっている。国内外を問わず,ITの普及に加えて大規模な企業間の侵害訴訟なども現れており,一般消費者の関心も高まってきた。 コンピュータ・プログラムを保護する知財権としては,現在,著作権と特許が主な手段となっている。特許権はアイデアやアルゴリズムといった動作の仕組みを保護し,著作権はソース・コードやオブジェクト・コードなどの表現を保護することが原則である。これらの権利関係と保護状況は以下のとおりである(図1)。 図1:コンピュータ・プログラムとソフトウエア特許
![]() ※ソフトウエアAには特許の対象であるアルゴリズムが含まれることを前提とする。 出所:土生哲也氏による作成。 「ソフトウエア特許を出願する際はその特性に留意すべきだ」 ソフトウエア特許が成立するための前提となる条件,つまり発明性を認められる条件とは,「ソフトウエアによる情報処理が,ハードウエア資源を用いて具体的に実現されていること」である。例えばある計算用のソフトウエアを想定してみると,そのソフトウエアの発明成立性は,ハードウエアにおける動作の処理方法について認められる可能性があるが,そこに含まれる計算式そのものを対象にすることは,認められない。つまり,コンピュータ内の中央演算ユニット(CPU)などの演算装置,メモリなどの記憶・制御装置,プリンタなどの出力装置,ハード・ディスクなど,これら装置間における動作の関係を明確に定義することが求められる。 ソフトウエア特許の「発明性」はどこにあるのか ソフトウエア特許の出願を検討する企業は,その性質や定義を理解することに加え,自社の知財戦略との関連性から出願すべきか否かを見極める必要がある。 第1に,特許出願の対象は,実現手段のポイントを明確に定義できるものであることが前提になる。どんなに優れたソフトウエアであっても,細かなノウハウの塊であって,工夫したポイントを明確に定義できないような場合は,出願対象を特定することができない。第2に,製品をリリースした場合に,簡単に「種明かし」をされて模倣されてしまう可能性について考慮しなくてはならない。そのような可能性がある発明の場合は,早期に出願すべきである。製品をリリースしても模倣される可能性が低いと思われる場合は,出願公開が種明かしの機会となり,結果的に出願が拒絶されると最悪の事態となってしまう。そのため,特許を出願せずノウハウとして秘匿する方法がある。この際は,営業秘密としての保護要件を満たすように,秘密管理を実施することに留意しなくてはならない。 (次回へ続く) |
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