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日本・中国間の“知財調停・仲裁機関”を2005年度に設立予定 日本弁理士会・産業競争力推進委員会委員長 飯島紳行氏に聞く(下) [2004/11/04]
日本弁理士会では,「産業競争力推進委員会」が中心になって産業の競争力強化を促進する観点から模倣品・海賊版への対応を進めている。同委員会では日本国内における取り組みに加えて,中国にミッション(使節)を派遣して,日中両国の知財実務者による意見交換や提言に取り組んできた。この取り組みを基に,2005年度をめどにして知財紛争に関する調停・仲裁を担う機関を設立する。同委員会の委員長を務める弁理士・飯島紳行氏に,産業競争力推進委員会の活動と機関設立に向けた計画を聞いた。
(聞き手は河井貴之=日経BP知財Awareness編集)
日本弁理士会内に「産業競争力推進委員会」を設置 日本弁理士会では,産業競争力推進委員会が中心になって模倣品や海賊版の問題に対応している。同委員会には,約30名が所属する。主な活動内容は産業競争力の強化を目的とした,(1)知財に関連する施策の調査と提言,(2)企業における知財活動の調査・研究と支援,である。 具体的には,弁理士会に所属する弁理士の模倣品・海賊版の問題に関する専門性を高めるために研究会・セミナーを開催したり,関連事例や資料を蓄積して会員向けデータベースを構築したりしている。2003年度のセミナーには約150名の会員が参加した。 対外的には,日本弁理士会が設置する「特許相談室」窓口を通じて寄せられた企業や個人からの相談について,対処方法を検討・提示している。産業競争力委員会としては,特に模倣品・海賊版について専門性を要する問題を担当している。現在は弁理士向けの研究会・セミナーとデータベースを,将来は一般の人にも積極的に開放し,活用してもらうことを計画している。 日本弁理士会独自の取り組みに加えて,他の組織との連携にも注力している。最近の例では,2004年8月に経済産業省に設置された「政府模倣品・海賊版総合窓口」に会として協力している。案件によって,日本弁理士会で対処方法を検討し,特に専門的知見を要する場合は産業競争力推進委員会が対応する。 2005年度をめどに日中間の「調停・仲裁機関」設立を計画 日本弁理士会は2001年から中国へミッション(使節)を毎年度派遣している。中国では,現地の3団体(中華全国専利代理人協会/中華商標協会/中華全国律師協会)と会合を持ち,模倣品・海賊版の問題について意見を交換している。さらにミッションの成果やそれに伴う中国の制度に関する研究実績は弁理士会の会員に報告して情報の共有化を図っている。 日本弁理士会は中国3団体との共同事業として,調停・仲裁を担う機関の設立を目指している。この仲裁機関は,日中間の知財に関する紛争などに関して弁理士など両国の専門家が仲裁に当たり,問題解決に当たることを目的とする。加えて,仲裁機関を通じて両国で知財に関する啓蒙活動などを強化したい。 この計画は,中国へのミッション派遣が結実したものである。日本弁理士会では2004年4月から機関の設立を検討して,この9月に中国3団体へ提案した。中国側は前向きに受け止めており,今後詳細などについて検討を進めていく。2005年度中の開設を目指したい。 「模倣」は不可避な問題ゆえに対応が必須 私見として,大局的な観点から「模倣」を考えると,そこには人間の文化に関わる本質的な問題が絡む。ものづくりの発展段階において,機能や構造にある種の類似性が生じることは歴史的に見て必然の要素である。その意味では,模倣は,ものづくりにおいて不可避な問題だといえる。 不可避な問題であるがゆえに,権利を持つべき企業や個人は,模倣品や海賊版に対して知財権を確立して権利侵害を予防し,あるいは侵害が発生した際には迅速に対処しなくてはならない。特に,デッドコピーや海賊版に代表される悪質な模倣については,厳粛に対応することが必要である。 (前回の記事)
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