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知的資産マネジメントのカギは「情報の管理」インテクストラ代表の大津山秀樹氏に聞く(下) [2005/05/26]
「これからの知財マネジメントでは,膨大な知財情報の管理がカギを握る」。知的財産マネジメントに関するコンサルティングの第一人者で,インテクストラ代表の大津山秀樹氏はこのように指摘する。全社的な知財戦略の遂行には関連情報の共有と活用が不可欠であり,そのためには効率的な情報管理と迅速な意思決定が必要になる。こうした新しい知財マネジメントに不可欠な企業の姿勢について,同氏が語った。 (まとめは日経BP知財Awareness編集部)
知財評価のポイントは「目的の明確化」 最近の知財トレンドの1つに,「知的財産の評価」がある。これは新しいタイプの知財マネジメントである「知的資産マネジメント」の活発化を反映している。企業経営の中で知財の指標化が必要な場面が増えており,評価手法や分析軸も多様化している。 「どのような評価指標が優れているか」。知財を計る「ものさし」が数多く登場している中で,多くの企業がこうした疑問を抱えている。さらに言えば,「知財評価=知財の数値化」という一種の誤解も生じている。 知財評価の本質は,まさに知的資産マネジメントそのものである。先に述べたように,その企業が「何を計りたいのか」,つまり知財を可視化したり評価したりする目的と,そこで評価すべき価値を認識することが,肝要なのである。評価指標の優劣は問題ではない。 最初に自社が掲げるべき目的を明確にすれば,利用すべき指標もおのずと定まり,評価後にその指標の正当性を証明することも容易になる。言い換えれば,単に統計的な数値や金額を示すだけでは,あまりに不十分な行為である。 膨大な知財情報の管理がカギを握る 日本の知的資産マネジメントでは,知財情報の管理が大きな比重を占める。従来,企業において知財情報は知財部門に集中し,一般には管理部門などとの共有が限定的だった。今後は,知財業務の現場から経営トップに至る全社的な知財情報の共有化に加えて,各部門が個別に必要とする情報のセグメント化を進めなくてはならない。 膨大な知財情報の管理について,当社はIT(情報技術)の活用による効率化を提案している。ITに基づいた情報システムを導入してコストの削減と省力化を図りつつ,人的資源は意思決定などの重要局面に集中することを,コンサルティングを通じて企業に提言している。 2005年1月,日本ユニシスと資本提携して,知的資産マネジメントを支援するソフトウェア,『StraVision』(ストラビジョン)』の開発強化を図った。戦略的なコンサルティングに加えて利便性の高い支援ツールを提供することで,クライアント企業における知的資産マネジメントの効率化,高度化を促進する。 StraVisionは,まず「特許が本来有する性質」,「他社からの注目度」といった客観的な視点に基づいて,特許公報から読み取れる数値データから各特許を定量化する。定量化の結果は「特許数値化指標(PCI:Patent Competency Index)」として示して,その特許が持つ「知的資産としての価値」を容易に判断できるようにする。PCIを活用することで,特定の業界・技術分野で各企業が保有する特許ポートフォリオについても,技術分析が可能になる。サービスの開始は2005年6月下旬に予定しており,現在,企業数社が参画したパイロット・プログラムを実施している。 知的資産マネジメントを左右するCIPOの存在 知的資産マネジメントの将来的な展望では,「技術最高責任者(CTO)」,「知財最高責任者(CIPO)」といった経営的視点を備えた統括的な責任者の存在に注目している。研究開発部門,事業部門,知財部門といった各部門を業務の中で有機的に結び付けるためには,支援ツールなどのインフラ整備とともに,それを指揮する指導者の存在が欠かせない。経営者と同じ視線でマネジメント全体を俯瞰できる知財パーソンがトップに存在するか否かが,知的資産マネジメントの成功,ひいては企業経営の成功を左右する。 (前回の記事)
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