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営業秘密に関連した技術法務の業務内容について,もう少し詳しく説明して欲しい。 |
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答 |
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例えば,多くの企業が営業秘密の保護を重視し始めているが,営業秘密の構築・運用方法は,特許のそれとは大きく異なる。このことが経営リスクになる可能性が高い。営業秘密は特許と異なり,法的に権利を証明することが難しい。さらに,問題が発生した場合に不正流出か否かの事実確認が困難であり,不正流出が判明しても法的に立証することが難しい場合が多い。
これに関しては,特に人的なリスクが問題になりやすい。不正流出の原因となりやすい退職者への対応に関し,多くの企業が悩みを抱えている。退職者が競合企業に転職することを制限する競業避止義務は,2年間が慣例となっている。5年間の設定が認められた例外的裁判例もあるが,憲法第22条が規定している「職業選択の自由」との関係から,基本的に長期間の設定は困難である。また,競業避止義務のほかに営業秘密保持契約を結ぶこともできるが,これに関しても長期間の設定は難しい。 |
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| 問 |
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このような状況変化に対し,企業および技術法務部門はどのように対応していくべきか。 |
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答 |
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企業は,こうした状況に対応できる高度な法務・知財戦略を構築すべきである。実際,先進的な企業ではこのような取り組みを進めているところが増え始めており,こうした傾向は喜ばしい。
技術法務部門に関しては,問題が起きてから対処する対症療法的な「臨床的法務」や,問題の発生を回避することに重点を置いた「予防的法務」といった従来手法を抜け出し,いよいよ自ら積極的に仕掛ける「戦略的法務」へと進むべきである。戦略的技術法務では,知財の権利化に加えて,侵害性の考慮や訴訟回避策の立案,ライセンス契約の締結など活用化・権利行使までを,一貫した戦略に基づいて検討する必要がある。
その際には,弁護士や弁理士などとの連携や協働を機能的に進め,業務の多様化に対応できるようにすることが肝要である。例えば,税法などの知財以外の法律知識を積極的に習得し,実務力を高める。さらに,事業のグローバル化に伴って,企業は海外における知財活動も進めている。米国や中国など日本以外の知財業務に対応できる体制整備も課題の1つである。 |
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| 問 |
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企業は法律事務所などをどのように活用していくのが望ましいか。 |
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答 |
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知財を含めた経営上の法務リスクを深刻化させないため,まず基本として問題が発生しそうな場合や発生してしまった場合に,即座に弁護士に率直に相談できる体制を構築しておく必要がある。このために,企業内弁護士を設置したり,設置が難しい場合には企業内弁護士の経験を持つ弁護士と契約したりして,日常的に弁護士のアドバイスを受けられるようにしておくべきである。
例えば,デジタル化の進展に伴って著作権に関連する問題が新たな経営リスクとして浮上している。携帯電話などのモバイル機器,インターネットなどのブロードバンド環境が広がってきたことで,デジタル化された情報に関する著作権侵害が増えていく可能性が高い。この問題について,企業は弁護士などとの連携や協働を強化していく必要があるだろう。
自社が訴訟を起こす場合にはじっくりと検討することができるが,訴えられた場合には時間的な余裕はほとんどない。即時に必要な情報を収集し,対応策を練らなければならない。こういった交渉や行動はスピードが命なので,顧問弁護士とまではいかなくても,法律事務所あるいは弁護士と定期的に接触を持つことなどが望ましい。
企業にとって,経営リスクを抑止することの必要性や重要性は,他社から訴訟を受けるなど「痛み」を経験しないと,なかなか気がつかない。現在,「優れた知財戦略を立案している」と評価されている企業は過去に海外で痛い思いをし,その経験を基にして現在の知財戦略を築き上げてきた。こうした先進企業の経験は,法務・知財戦略を構築する上で大いに参考にすべきだ。 |
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| 問 |
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社内の体制強化についてはどのように考えれば良いか。例えば社内の法務・知財人材育成に関し,どのような点に留意すべきか。 |
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答 |
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財務部門においてCFO(最高財務責任者)から経理実務の専任担当者までに至る多様な人材が必要なように,知財部門においてもCIPO(最高知財責任者)以下,様々な人材が必要になる。その中でも,特に技術法務に関する高い専門性を備えた人材を確保することが重要である。このような人材を確保・育成するに当たり,われわれ弁護士は法務のスペシャリストとして企業にアドバイスできることが多い。企業は,人材育成の観点からも法律事務所との連携や協働の可能性を探って欲しい。 |