日経BP知財Awareness

日経BP知財Awareness トップページへ 企業経営関連記事へ CIPO関連記事へ 政策・法制関連記事へ 訴訟関連記事へ 職務発明関連記事へ

人材育成関連記事へ 産学連携関連記事へ 提言関連記事へ 技術&事業シーズ ニュースリリース イベント・セミナー情報

Article - 記事

君島浩氏。防衛庁海上幕僚監部・教育専門官知財教育成果は教育工学の導入により高まる
教育工学の専門家,君島浩氏に聞く(下)
[2004/05/14]

 知的財産分野の人材の育成と評価のための指標を民間主導で提供する取り組みとして,「知的財産検定」が注目されている。この知財検定の特徴の1つは,制度設計や問題・教材作成の基盤として「インストラクショナル・デザイン(ID)」という手法を採用したことだ。 IDの意義などについて,教育工学の専門家でありIDの第一人者である君島 浩氏(防衛庁海上幕僚監部・教育専門官)に尋ねた。
(聞き手:村中敏彦=日経BP知財Awareness 編集委員)

海上自衛隊やマクドナルドがIDを採用
海上自衛隊では,IDにどのように取り組んでいるのか?
 海上自衛隊は,IDの先進的な適用事例である米海軍に学ぶ形で,IDの導入を進めている。2002年6月に私が採用された時点で,私に期待された職務内容は,(1)新たな教育業務運営のためのID手法の導入,(2)教育のIT化を推進するための教育工学の導入,(3)教育原理,教育心理学,教育環境学の観点からの海上自衛隊教育の見直し,(4)教材作成の専門家の養成,である。
 海上自衛隊は約4万人を擁する組織であるが,一方で,年間延べ約1万人の受講者,6つの学校を始めとする多数の教育部門,約450種類の課程を持つ日本でも有数の規模の教育機関でもある。2003年からID手法を採用した教育を試行し,徐々に適用範囲を拡大しているところだ。
IDの適用事例の代表例には,どのようなものがあるのか?
 日本マクドナルドの店舗の事例が身近だろう。店長が出勤してから退勤するまで,あるいは店員が調理や接客をするうえで,必要な業務と技能は多岐にわたる。これを適切に遂行させるために,米マクドナルドの指導を受けた国内スタッフが,IDをはじめ,生産工学やテクニカル・ライティングなどの専門手法を活用している。
 このほか,NECインターナショナルトレーニングは,海外の現地技術者向けの教育にIDを適用したのを皮切りに,現在は,日本の顧客向けにIDを適用している。さらに,ソニーの組み込みソフトウエア部門,電力会社の原子力発電部門,三井化学の岩国大竹工場,本田技研系の専門学校などもIDを採用している。
勘と経験を脱して,教育をデザインせよ
IDの最近の動向として,どのようなことに注目しているか?
 「総合的学習」の考え方に対応し,受講者の主体的な行動に従って,教育の実施中にデザインを受講生個人ごとに変える取り組みに注目している。一方,現在eラーニングが注目されている。しかし,教育手段としてeラーニングを選ぶか選ばないかは,IDの判断によって決まることだと考えている。こうした観点で,海上自衛隊でも,eラーニングという手法を,IDの判断に基づき,適切な場面で採用することとしている。
日本の教育全体について,どう見ているか?
 これまで,日本の企業・官庁・大学などでは,教育は勘と経験で行われており,必ずしも実務に役立たない教育が横行していた。例えば,(1)精神論を唱える教育,(2)実務と遊離した戦略論を提示し,実務には役立たない教育,(3)業務に役立つヒントを散発的に提示する教育,などだ。
 米国経営協会(AMA:American Management Association)のビジネス・セミナー体系と,日本の同様のものを比較すると,驚くほどデザインが異なる。教育のデザインという観点で日本が米国に追い付くための手法がIDと位置付けられる。IDの専門家は日本でも増えつつあるが,韓国やマレーシアよりもずっと少ない。IDの専門家をもっと増やす必要がある。


ヘルスケア産業はこうすれば立ち上がる

サイト内検索

広告欄

CIPO
CIPO
【特別座談会】 特別座談会
環境技術移転に有効な「WIPO-Green」が始動
〜このままでは日本企業は勝ち残れない

知財ナビ
知財パーソン 知財パーソンの履歴書
知的財産管理技能士から,
知財人材の様々な人物像に迫る

米国知財レター

前川有希子の米国特許Insight

永澤亜希子のパリ発・フランス知財戦略

ブライナ代表 佐原雅史の知財キャリア応援コラム
<過去の連載>
シリーズ:新規事業開拓と知的財産

藤森涼恵の知財show me the money

日高賢治の中国知財最前線

柴田英寿のアントレプレナーシップ論 オープンスクール



日経BP社 TechnoAssociates, Inc.