日経BP知財Awareness

日経BP知財Awareness トップページへ 企業経営関連記事へ CIPO関連記事へ 政策・法制関連記事へ 訴訟関連記事へ 職務発明関連記事へ

人材育成関連記事へ 産学連携関連記事へ 提言関連記事へ 技術&事業シーズ ニュースリリース イベント・セミナー情報



知的財産戦略の新たな潮流,「産産連携」を促進
産業技術活用センター理事,早稲田大学理工総研客員教授 野尻昭夫氏
[2006/04/25]

産業技術活用センター理事,早稲田大学理工総研客員教授 野尻昭夫氏
産業技術活用センター理事,早稲田大学理工総研客員教授
野尻昭夫氏
 これまで,技術移転や技術の事業化を目指した活動の中心は,大学などの研究機関と民間企業を結び付ける産学連携だった。しかし,より効率的な技術移転や事業化を目指す中で大企業と中小・ベンチャー企業の協働が注目されており,こうした「産産連携」に企業の知的財産戦略の新潮流としての期待が高まっている。
 大企業と中小・ベンチャー企業を結び付けるコーディデータとして活動しているのが,NPO法人・産業技術活用センター(理事長:鳴戸道郎氏)である。同センターは2004年の創設以来,大企業と中小・ベンチャー企業間の協働を促進し,実績を挙げてきた。理事の1人,早稲田大学理工総研客員教授の野尻昭夫氏に話を聞いた。
(まとめは日経BP知財Awareness編集部)

「産学連携」ではなく,大企業と中小・ベンチャー企業の「産産連携」に注目
 「知的財産立国」を実現する上では,日本の産業構造上,(1)中小・ベンチャー企業対策,(2)経済発展につながる効率的な研究開発投資,が不可避な課題である。(1)については,特に中小企業の競争力の弱体化と創業率の低さが問題視されており,(2)に関しては特に大企業における研究開発活動の非効率さが指摘されている。
 これらの課題を解決する方法として,技術移転や共同研究といった交流活動が注目され,特にシーズの供給源である大学などの研究機関とそれらを事業上のニーズへ変えていく企業による産学連携への期待が高まった。しかし,研究機関のシーズは基礎研究,あるいは学術的な研究段階のものが多く,事業化までには,時間やコストを要することが多い。
 そこで,実用的なシーズの供給元として大企業にわれわれは注目した。大企業において事業化されない技術やいわゆる休眠特許などを,中小・ベンチャー企業に移転し,イノベーションの創出や新事業の立ち上げ,「スピンオフ・ベンチャー」の創業につなげることを目標に掲げた。いわば,大企業と中小・ベンチャー企業間の「産産連携」である。

ワン・ストップ・サービスを可能にする総合的な機関を目指す
 2003年1月に技術・事業移転に問題意識を持つ産業界と学術界の実務者が集まり,「スピンオフ研究会」を創設した(同年10月に「技術移転研究会」へ改組)。ここで研究調査を実施した結果,産産連携のコーディネータになるべき機関や組織が狭い範囲だけで機能し,実際の連携活動は大幅に限定されている状況が判明した。例えば,大企業から中小・ベンチャー企業などへの技術移転を支援する機関や組織は,その大企業に付属していたり大企業自身が運営したりする場合がほとんどである。独立した第三者的立場の支援機関については規模が限定されており,技術評価やベンチャー支援などに個々の機能は持っていてもワン・ストップ・サービスを提供できるような総合的な機関は少なかった。
 こうした調査の結果を受けて,産産連携を普及していくために,内閣府認定の特定非営利活動法人(NPO)「産業技術活用センター」としての活動を2004年10月に開始した(表1)。センターのミッションは,(a)企業文化の厚い壁に阻まれた知識・技術・サービス・人材の流動化促進,(b)企業の開発成果の切り出しによる実用化,特にエンジニアの自己実現の支援,(c)関係団体・大学・専門家との協働による中小企業への技術移転などを通じた事業再生とスピンオフによる創業支援,である。
 非営利で活動することの意義は,コーディネート活動を広く展開しつつ,そしてわれわれの活動の目的が日本の産業の活性化と経済振興への貢献であることを強調するためである。

表1:産業技術活用センターの主要役員(敬称略)
理事長 鳴戸道郎(元富士通総研会長)
副理事長 大江 建(早稲田大学MBA大学院教授)
丸島儀一(キャノン顧問)
理事 野尻昭夫(早稲田大学理工総研客員教授)
三好秀和(三好内外国特許事務所会長)
梅原潤一(IPトレーディングジャパン代表取締役)
中村裕一郎(富士通経営戦略室部長)
並木秀男(早稲田大学インキュベーション推進室長)
監事 浅井武夫(ウェルインベストメント代表取締役)
出所:産業技術活用センター提供の資料より抜粋。

幅広い参画を促進するため,「産業技術活用市2006」を2006年4月28日に開催
 2006年4月の時点で,日立製作所,富士通,住友重機,リコーなど約16社の大企業と約100社の中小企業がセンターの会員として参画している。活動を開始して日は浅いが,すでにこれまでの活動を通じて実際にスピンオフに至った事例も出てきており,2006年はこうした成功事例のさらなる蓄積とともに,会員企業の拡大,大学などとの連携や他の支援機関とのコラボレーションなど,新しい領域での活動を視野に入れている。将来的には,われわれが自主的に運営するファンドの創設など,資金面における支援機能の充実なども図っていく(図1)。
 われわれの活動を知ってもらうために,2006年4月28日に「産業技術活用市2006」を開催する。特別講演に加え,4つの技術のプレゼンテーションを実施する(詳しくはこちら)。

図1:産業技術活用センターの機能イメージ
産業技術活用センター機能図
出所:産業技術活用センター提供の資料より抜粋。


第5回メンターフォーラム<2010年1月26日>
「中小企業・大学発ベンチャー企業のためのメンタリング」






ヘルスケア産業はこうすれば立ち上がる

サイト内検索

広告欄

CIPO
CIPO
【特別座談会】 特別座談会
環境技術移転に有効な「WIPO-Green」が始動
〜このままでは日本企業は勝ち残れない

知財ナビ
知財パーソン 知財パーソンの履歴書
知的財産管理技能士から,
知財人材の様々な人物像に迫る

米国知財レター

前川有希子の米国特許Insight

永澤亜希子のパリ発・フランス知財戦略

ブライナ代表 佐原雅史の知財キャリア応援コラム
<過去の連載>
シリーズ:新規事業開拓と知的財産

藤森涼恵の知財show me the money

日高賢治の中国知財最前線

柴田英寿のアントレプレナーシップ論 オープンスクール



日経BP社 TechnoAssociates, Inc.