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技術移転において知的財産あるいは知的財産権が果たす役割をどのように考えるか。 |
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久 保 氏 |
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技術移転を伴う共同開発,オープン・コラボレーションないしはオープン・イノベーションといった作業において,知的財産権は自他の技術を具象化し,同時に,権利の範囲を示すために不可欠なツールである。最近になって当然に考えられるようになったことだが,つい最近までは,大学の特許権など知的財産への認識は全体的に低く,仮に権利を取得してもそれきりになる場合が多かった。現在は,「研究者や技術者の間にも知財を重視する雰囲気が醸成されつつある」という段階だと想う。
知的財産への認識が変化し,視線が変わってきたことによって,既存の研究開発ツール,あるいは知財ツールなどの活用方法も大きく変わってきている。こうした変化を受講生が体得できるように,今回のプログラムでは,特許電子図書館(IPDL)を使った市場分析や技術分析の手法を取り上げ,実習の機会を設けた。IPDLは特許を検索するだけでなく,応用的な活用によっては,各企業の技術分野における強みを把握したり,将来的な事業展開が期待できる分野や企業情報を取得したりできる。技術移転の実務の場合,IPDLの活用を通じて,提携先候補の企業情報や市場における位置付けなどの調査などマーケティング活動時の情報収集で,その機能性を発揮できる。 |
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吉 田 氏 |
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技術や権利の範囲を明確かつ適切に定義し,必要に応じて権利を取得しておくことは,米国のような契約社会でのビジネス交渉では,基本かつ必須だ。こうした傾向は近年の日本でも強まっており,今後,連携に基づく事業機会の増大に比例して知財権の重要性はさらに高まるだろう。 |
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| 問 |
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プログラムの実施を通じて新たに分かった教育の効果あるいは課題はあるのか。 |
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吉 田 氏 |
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受講生の属性は多様で,将来の進路には弁理士を目指す学生もいれば,企業の研究開発者を目指す者もいた。こうした多様な人材が集った協働の場を設けられたことに,まず意義を感じる。加えて,このようなプログラムの実践が,研究開発の場にマーケティング・マインドを芽生えさせる上で非常に有効だという感触を持った。
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川 田 氏 |
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川田滋久氏 |
将来はバイオ・テクノロジ分野の研究者を志望している。今回の受講を通じて,技術を事業化するために欠かせない技術移転や知的財産権の考え方や視点を体得できた。こうしたスキルを得たことは,今後の大学院での研究や企業などでの研究開発業務においても,事業化に有益なブレークスルーやアイデアの創造につなげられると思う。 |
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久 保 氏 |
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日本において技術移転に携わる人材の不足は以前から指摘されてきたが,改めて市場へ強い関心を持ち,積極的なマーケティング能力に長けた専門人材育成が急務だと痛感した。
技術移転の成功事例としては,米Stanford Univ.による,マーケティングにウェイトを置いた実践モデルが世界的に注目されている。われわれもプログラムの実習2において,「自分たちから企業にアプローチし実際に訪問して技術を説明する」能動的なマーケティング活動の実施を志していたが,プログラム構成上の都合から,技術に関心を持つ企業を探すことにまずは専心した。今後の教育プログラム開発において考慮したい点である。
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| 問 |
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先進的といわれる米国などの状況と比較して日本の技術移転の課題は何か。 |
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吉 田 氏 |
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今回,プロジェクトの一環として,2005年秋に米国における技術移転現場を視察した。最も強く感じたのは,知的財産や技術といった「知」の経済性への感覚,つまり「ビジネスとしての技術移転」に関する意識土壌が産業界,研究機関の両方にすでに形成されている,ということだった。
実習では,海外のベンチャー企業から「技術を提供して欲しい」との申し出をeメールで受け,その後わずか2カ月ほどの間でライセンス契約にまで至った本大学の実例を紹介して,技術導入に至るまでのスピードの重要性を学んでもらった。同様の契約について,ライセンス相手が日本企業の場合だと,おそらくは半年以上の期間を要したのではないかと推測する。 |
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久 保 氏 |
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米国においてもすべての技術移転が成功しているわけではない。実際には一部の大口ライセンス(mega-licenses)が莫大な収益を生む一方,その他は小口ライセンスが多い。視察した感想として,この大口ライセンスの存在以外の点では,日米のそれぞれの技術移転に関する「差」は確実に縮まっている。ただ,先に指摘された産業界や研究機関の「知」に対する経済感覚や,技術移転を効果的に実行できるビジネス環境,市場形成,専門人材の拡充といったインフラの整備面で,努力が必要だと思う。
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