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地域ブランドの活性化において商標が果たす役割 三好内外国特許事務所 弁理士・岡村雅一氏に聞く(下)
[2006/03/09]
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地域団体商標の活用において,実務的にはどのような課題が想定されるか。 |
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岡 村 氏 |
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地域団体商標の権利行使に関し,特に第三者の正当な権利の保護については慎重に検討・実践しなくてはならない。 第1は,先使用権の認定である。地域団体商標が出願される以前から同じ商標を使い続けていた第三者には,地域団体商標の登録後も継続使用することが認められる。この点は商標法の第32条の2が規定している。組合に加入せずに使用している者もあるため,通常の先使用権(商標法第32条)のような周知性は要求されない。また,1992年の「サービス・マーク」導入時の「継続的使用権」のように,「その商標を使用してその役務に係る業務を行っている範囲内」という権利の制限はない。そのため,商標を使用する地域的な範囲を拡大したり,他の地域に移転したりした場合においても,引き続きその商標を使用できる。
第2は,農作物や海産物などの「原産地表示」,あるいは商品の品質表示に関する取り扱いである。商標法では,商品・役務の普通名称,産地表示などを普通に用いられる方法で使用する商標には,商標権の効力が及ばないことを規定し,第三者が普通名称,産地表示などを使うことを認めている(第26条)。ここでは,特に商標(表示)の「使用態様」が問題となる。 例えば,「○○産りんご」という商品について,地域団体商標の「○○りんご」が登録された場合も,組合に属していない同じ地域の者でも,商品としての「○○産りんご」について「○○りんご」という表示を,(1)自他商品識別機能を発揮しない態様,(2)出所表示機能を果たしていない態様,で使用することが許容されている。つまり,生産者が,内容物であるりんごの「産地表示」として使用する意図で,それらを入れる箱に大きく「○○りんご」と表示する場合は,商取引上の使用態様から判断して,りんごの産地表示として認識することが多いため(編注),その使用に団体商標権の効力は及ばないとされる可能性が高い。
しかし,例えば,箱の一部に文字を小さく記すなど,その商品の商取引の実情において「出所標識」として使用していることが明らかな場合は,権利侵害が認められるため,注意しなくてはいけない。
編注:2000年以降,「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」が,生鮮食品について原産地表示を義務付けている。 |
| 問 |
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新たに商品を開発したり事業を開始したりする場合,地域ブランドはどのように活用できるのか。 |
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岡 村 氏 |
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2006年4月に施行される改正商標法は,あくまで「地域の名称+商品(サービス)名」の文字だけで構成された地域団体商標に関するものだ。従来から,(a)「地域の名称+商品(サービス)名」に識別力のある文字を付加した商標,(b)「地域の名称+商品(サービス)名」に図形を合わせた商標などは,一般の商標権として各事業者などが独自に出願・登録することができる。
地域団体商標については,当初は既存の商品や伝統工芸品・農産物,飲食物の提供等の登録が主になると思われる。しかし,原則上,商標法上の商品やサービスに該当するものであれば商標登録できるため,将来は,例えば地域に一定の研究機関が多数集まることで「特定地域における○○に関する試験や研究」など新しい形態のビジネスに対し,地域団体商標の登録が認められる可能性などがある。
いずれにしても,地域ブランドの本質的な意義を考える上では,地域あるいは商品やサービスが持つ顧客吸引力を共有の財産・価値として尊重していくことが基本姿勢として大切だと思う。その上で,商標という権利を地域ブランドの活性化や保護にどのように生かすかを考えるべきである。 |


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