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【 「知財スキル標準」 連載コラム】 (提供:金沢工業大学)
「知財スキル標準」は企業における知財人材育成のためのツール 経済産業省が主導し,平成17年から平成18年にかけて取り組んでいる知的財産に関する重要なプロジェクトの1つがこの「知財スキル標準」プロジェクトである。 「知財スキル標準」とは,企業における知的財産の創造・保護・活用に関する諸機能の発揮に必要とされる個人の知財に関する実務能力を明確化・体系化した指標であり,企業における知財人材育成のためのツールである。 具体的には,人材育成マネジメント(下図参照)において,自社の知財人材の現状把握,人材育成の「目標設定」,育成後の「教育評価」等に有用なツールとして利用すると極めて便宜であると考えられる。 ![]() 「知財スキル標準」は,「知識」の標準ではなくむしろ「実績と経験」の標準 誤解が多いので,ここで念のため述べれば,「知財スキル標準」というのは,知識の指標ではなく,むしろ「実績と経験」の指標である。この点は,以下のスキルカードのサンプルを見て頂ければ分かるであろう。 ![]() このサンプルの左側の「業績評価指標」欄を見て頂ければお分かりのように,特定の仕事についてどのような「実績と経験」が求められるかが明示されている。 スキルの評価指標を定義したこのようなスキルカードは体系化されており,計273枚となる予定である。 スキル標準の完成によって期待される効果 企業の立場では,スキル標準により人材の能力を明確化・可視化して,より客観的に把握することができるようになる(人材育成マネジメントの(1)現状把握)。 ここで,スキル標準の策定にあたって重視したことは,企業の経営戦略に基づいた知財戦略を実行するために必要な機能とは何か,戦略を実行する人材に対してはどのようなスキルが要求されるかという視点である。 スキル標準により,企業はこうした知財戦略を的確に実行するために的確な人材を配置することができ,業務効率を最適化することができるようになる(人材育成マネジメントの(2)目標設定)。つまり,担当者の能力が不足する場合には学習を促したり,研修する等(人材育成マネジメントの(3)教育)してその能力を適正な水準まで育成することができ,さらに外部人材により不足するスキルを穴埋めするといった対応が可能となる。 一方で,適切なスキルを持つ従業者による業務は効率的であることに加えて,高い付加価値の成果を期待することができる。従業者は自らの能力を最大限に発揮することができる環境に身をおくことが可能となるからである。 また,適正な評価(人材育成マネジメントの(4)教育評価)を受けることは従業員の企業に対する満足度の向上を期待できる。企業に対する満足度を高めた従業者は効率がよく,質の高い業務を企業に対して提供することが期待される。 従業者は,自分に対する企業の評価を受け,それに満足することができる。スキルが可視化され,客観的に定義された指標で評価されることにより,自分の能力が適正に評価されることになるからである。加えて,現在の自らの能力を把握することができた従業者は,要求される基準から不足する部分や自らが興味を持つ分野について明確な目標をもって学習を進めることができ,キャリアプランニングを行うといった効果が期待される。 次回以降,この「知財スキル標準」プロジェクトに主体的に関わった者(筆者は平成17年及び平成18年において委員長を務めている)として,その詳細(背景・議論の経緯等)について追ってご紹介していきたいと考えている。 (次回に続く)
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