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新しい知財訴訟制度がスタート
[2004/04/13]

 2005年の「知的財産高等裁判所」設立を視野に入れた,日本の裁判所における知財訴訟の新体制がこの4月1日にスタートした。

東京高裁が知財訴訟を統括
 4月1日に施行された改正民事訴訟法によって,特許権,実用新案権等に関する訴訟の第一審は,原則として東日本地域を東京地方裁判所,西日本地域を大阪地方裁判所がそれぞれ管轄することになった。両地裁はすでに知財専門部をもつが,エレクトロニクスやバイオなどの科学技術分野や知財に詳しい裁判官を集中的に配置して対応を強化する。控訴審は,東京高等裁判所が専属管轄する(具体的事案に応じて大阪高裁へ移送)。同種の裁判で地裁の判断が分かれるような場合,東京高裁は,知的財産権担当の裁判官から選出する5名による合議制を採用して,訴訟に対する判断の統一を図る。

知財専門家140名が訴訟をサポート
 一方,裁判所は「専門委員制度」を新たに導入,知財訴訟の高度化・複雑化に対応するため,知財に関わるエキスパートを専門委員として採用した。専門委員は裁判所の非常勤職員として,訴訟のすべての段階に関与。裁判官に対して,中立・公正の立場で専門的な観点からの説明やアドバイスを行う。専門委員数は東京で約100名,大阪で約40名の計140名。大学をはじめとする研究機関や企業などの研究者,弁理士などが就任した。

「知財高裁」,2005年に設立へ
 国会は,「知的財産高等裁判所」の2005年4月設立をめざした新法案を審議している。4月5日現在,衆議院を可決・通過し,参議院で審議中だ。知財高裁は東京高裁に設置され,知的財産権全般に関する訴訟を扱う。
 また,知財訴訟に関係して,裁判所法等の一部改正法案が並行して審議されている。裁判所が,(1)当事者に出す「秘密保持命令」,(2)非公開審理の導入,を通じて営業秘密の保護強化や侵害行為立証の容易化を図ることや,知財に関わる裁判所調査官の権限拡充などが項目に挙がっている。
 こうした制度拡充によって簡易化や迅速化が進むことで,今後,知財訴訟が紛争解決手段としてより広範に,かつ頻繁に活用されると見込まれる。
(河井貴之=日経BP知財Awareness編集)


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