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“人材育成”が中国・知財政策のキーワードに 中国・国家知的産権局の陳玉娥氏に聞く(下) [2005/03/23]
「中国国内における知財行政の将来的展望は,人材育成に加えて,中国国民の間に“知的財産”という概念がどれだけ根付くかによるところが大きい」。国家知的産権局・専利局人事教育部の教育処・処長である陳玉娥氏はこのように指摘する。陳氏は1987年〜2000年に国家知的産権局の特許審査官を務めて,現在は同人事教育部において職員の採用と育成に従事している。2004年10月から2005年3月まで,日本の特許庁が主催する「長期研究生招聘プログラム」により社団法人発明協会・アジア太平洋工業所有権センター研究生,および東京工業大学の客員研究員として,知的財産に関する専門人材の育成のあり方について調査研究に携わっている。 以下は,陳氏の講演(2004年12月10日,東京工業大学「エンジニアリング知的財産講座」)とインタビュー取材を基に,日経BP知財Awareness編集部がまとめたものである。 (まとめは河井貴之=日経BP知財Awareness編集)
知財専門人材の育成が大きな課題に 私が現在所属する専利局人事教育部は,同局の職員採用・教育と育成を担当する部門である。組織の拡大と実務の増大に伴って,知財当局では専門人材の確保と育成が課題になっている。 こうした状況は中国企業においても同じことである。「人材育成」は,中国における知財経営のキーワードになっている。中国における知財人材の育成は主に「トップダウン方式」で広がっており,経営者,知財責任者,技術部門の管理職者など,上位者が対象となっている。製薬,バイオ,情報産業などの業界において,育成に向けた積極的な取り組みが目立つ。こうした企業の動向に伴い,北京大学・清華大学など教育機関も,知財人材育成を目的とする教育の高度化と機会の拡大を図っている。 企業での知財人材の育成は,中国知財当局も支援しており,世界知的所有権機関(WIPO)との共同教育事業,eラーニングなどを通じた知財の啓蒙普及活動などを推進している。 中国の知財行政における「地域間格差」の問題 中国の知財行政に関して,「地方では司法などに地元偏重がある」,「地域間格差が大きい」と,日本を始めとする外国企業が指摘することが多い。しかしながら,それは正しくない。確かに,都市圏などの「豊かな地域」と内陸部の「貧しい地域」といった経済格差の影響が中国国内には存在するが,知的財産に関する制度・政策は1つであり,地域間に格差はない。
今後の中国全土における知財行政の進展は,人材育成に加えて,中国の人々の間に「知的財産」という概念がどの程度根付くか,という点に依拠するところが大きい。近年,人々の間では知的財産への関心は非常に高まっている。しかし,中国の長い歴史においては,欧米的な「私有財産」,「知的財産」といった概念がなく,まずはこうした権利に対するまったく新たな意識を身に付けることが大切になる。それゆえ,一朝一夕で解決する課題ではない。中国の知財動向を読み解くには,こうした中国特有の文化的・制度的な背景に対する留意が必要である。(前回の記事) |
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