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「従業員関与の営業秘密侵害で法人処罰のケースも」
不正競争防止法,2005年に改正へ
[2004/12/03]

 営業秘密の不正使用や模倣品・海賊版による権利侵害に対する罰則強化を含んだ不正競争防止法の改正が,早ければ2005年にも実施されることが判明した。2004年12月2日に開催された政府・知的財産戦略本部の「権利保護基盤の強化に関する専門調査会」において,経済産業省が明らかにした。
 改正の方向性を検討している経済産業省の産業構造審議会・知的財産部会不正競争防止法委員会(委員長:一橋大学大学院教授・土肥一史氏)の報告によると,(1)従業員が営業秘密を不正に使用・開示してその行為が業務に関する場合は雇用する法人や事業主にも監督者としての責任を問う両罰規定を導入すること,(2)海外における営業秘密の不正使用・開示を処罰対象に加えること,(3)商品形態の模倣行為などに対して刑事罰を導入すること,などが主な改正内容になると見られる。
 営業秘密の保護について,2003年の不正競争防止法改正(2004年1月1日施行)で従業員などによる不正使用・開示行為に対する刑事罰が導入され,企業における情報管理体制に大きな影響を与えている。今回の改正によって違法行為に関する企業責任の範囲が拡大されることで,より厳格なコンプライアンス(法令遵守)の姿勢が必要になる。

営業秘密保護と模倣品・海賊版対策に重点をおいた改正
 知的財産部会・不正競争防止法委員会は,営業秘密の保護と模倣品・海賊版対策に重点を置いた法改正を検討しており,これを受け経済産業省は2004年度中に結論を出して次期通常国会(2005年1月開会)に法案を提出する予定である。

従業員が関与した営業秘密侵害で法人が処罰されるケースも
 営業秘密の保護について,(a)日本国内で管理・取得された営業秘密を不正に使用・開示した場合は国内外を問わず処罰対象とすること,(b)元役員・従業員が秘密保持契約に反して営業秘密を不正に使用した場合に処罰対象とすること,(c)営業秘密侵害罪について法人処罰(両罰規定)を適用すること,が議論されている。
 (a)は,例えば日本の技術者が週末に海外に渡航して現地企業において営業秘密を侵すような技術指導をした場合などが処罰の対象になる。(c)は,営業秘密に接する権限のない者が,(ア)他者の営業秘密を不正に入手して使用・開示した場合,あるいは(イ)営業秘密に接する権限のある者に違法行為をさせて同様の行為に及んだ場合,違法行為がその者の業務に関するならば組織ぐるみの違反とみなされ,雇用する法人や事業者も処罰の対象となる。

形態模倣品などに刑事罰の適用を拡大
 模倣品・海賊版対策については,著名表示の冒用行為(不正競争防止法第2条第1項第2号),商品形態の模倣行為(不正競争防止法第2条第1項第3号),に関して刑事罰の導入が検討されている。さらに,データベースのデッドコピーに対する差し止めの請求権の導入,税関での水際措置に不正競争防止法違反品も含めることなどが検討課題として挙がっている。
(河井貴之=日経BP知財Awareness編集)


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