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都道府県初の中小企業向け知財助成を展開 東京都知的財産総合センター(下) [2005/07/29]
東京都知的財産総合センター(財団法人東京都中小企業振興公社)は,2003年に都道府県単位では初の中小企業向けの知財費用助成を開始した。(1)外国特許の出願に関する費用,(2)外国における知財侵害の調査に関する費用,が対象であり,一定の条件を満たす企業へ支援が実施される。同センター所長の橋本正敬氏に,現在推進中の助成事業の状況と,国レベルでの施策の必要性,を聞いた。(聞き手は河井貴之=日経BP知財Awareness編集)
都道府県では初の知財助成事業を2003年に開始 中小企業が知財に取り組む際には,費用が大きな「足かせ」になる。人員と費用の両面において,中小企業にとっての知財は,大きな負担を伴う課題となっている。 東京都知的財産総合センターが2003年に開始した「外国特許出願費用助成事業」は,都道府県単位では初となった費用助成である。東京都内に事務所を持つ中小企業や,都内の中小企業が中心になった事業協同組合などが,外国に特許を出願する際に必要とする経費の50%以内(上限は300万円)を支援する(表1)。 2004年には,「外国侵害調査費用助成事業」を開始した。連載の「中」で紹介した海外における自社製品の模倣品・権利侵害などに関連して,被害状況を調査する中小企業者に費用の一部を助成する事業である。具体的には,必要経費の50%以内(上限は100万円)を支援する(表2)。 表1:外国特許出願費用助成事業の概要(2005年度)
出所:東京都知的財産総合センターの資料に基づき日経BP知財Awareness編集部が作成 表2:外国侵害調査費用助成事業の概要(2005年度)
出所:東京都知的財産総合センターの資料に基づき日経BP知財Awareness編集部が作成 情報提供などの支援事業を並行展開 既存の助成事業に加えて,訴訟費用に関する助成を求める中小企業の声もある。しかし,基本的に訴訟は私人間・私企業間の問題であるため,公的機関が金銭的に助成することは難しい。さらに言えば,金銭的な助成には予算的な制約もあり,支援にも限界がある。 知的財産総合センターは,連載「上」で説明した相談事業の拡充や,情報提供の強化を通じた幅広い助成活動に注力している。過去の実績としては,知財の活用方法や基本的な業務を紹介するマニュアルの作成や,各種シンポジウムや,セミナー開催などを通じて,知財業務の支援強化を図っている。 「中小企業を対象とした知財政策の拡充に期待」 政府の知的財産推進本部が定めた「知的財産推進計画2005」には,中小企業に対する施策の拡充が盛り込まれた(関連記事)。中小企業向けの知財政策を国レベルで推進することは重要である。従来の知財制度は,中小企業にとって分かりづらく,費用的な問題もあり,疎遠な存在だった。推進計画で指摘された「特許出願に関する減免措置」など,中小企業が知財を手軽に活用できるような制度の充実を望みたい。その上で,「知財金融」の活性化など(関連記事)の民間の取り組みにも期待している。
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