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ほとんどの消費者が知らずに払っている「私的録音録画補償金」 経済産業省・政策企画官の藤原 豊氏に聞く(上) [2005/04/25] 著作権法では原則的に,著者物を個人的または家庭内など限られた範囲内で使うことを目的にした複製(「私的複製」)を合法としている。ただし,CD,DVDに代表されるデジタル・コンテンツについてはコピーを繰り返しても品質が劣化しないことなどを理由に,私的複製でも消費者は「相当額の補償金を著作権者に支払うこと」になっている。この「私的録音録画補償金制度」に則って,消費者は実は,デジタル録音・録画機器や記録媒体を購入する際に,補償金が「上乗せされた」価格を支払っているのだが,そのこと自体がまったく知られていないケースが多い。この制度については,2006年に予定される著作権法の改正に向けて,現在,政府が見直しを図っている。担当者の1人,経済産業省・商務情報局の政策企画官である藤原 豊氏に,同制度の概要と現状における問題点を聞いた。
(まとめは河井貴之=日経BP知財Awareness編集) 著作権法が定める「私的録音録画補償金制度」とは 著作権法は文化庁の所管する法律である。しかし,「私的録音録画補償金制度」については,デジタル機器などの産業界の協力を前提としているため,制度の創設以来,経済産業省は文化庁と連携・共同して運営してきた。 この制度は1993年の著作権法改正によって創設され,「デジタル方式による私的なコピーを行った者は,権利者に対して補償金を支払うこと」になった。デジタル録音・録画機器と媒体が課金の対象になり,補償金の支払いについては機器と媒体のメーカーが,その徴収に対して協力義務を負う。具体的には,製品の販売時に補償金分を価格に上乗せして徴収し,所属する業界団体(社団法人・電子技術産業協会,社団法人・日本記録メディア工業会)を通じて,著作権法上の「指定管理団体」(社団法人・私的録音補償金管理協会,社団法人・私的録画補償金管理協会)へ補償金を受け渡すことになった。 指定管理団体は徴収した補償金の20%を「共通目的基金」として差し引き,その残額を著作権関係の各団体に固定比率で分配する(図表1,図表2参照)。なお,2003年度の私的録音補償金は約23億3,920万円,私的録画補償金は14億7,073万円,合わせて約38億円にのぼっている。 図表1:録音の場合 ![]() 図表2:録画の場合 ![]() 「消費者への周知が徹底されていないこと」は深刻な問題 デジタル録音・録画機器が広範に普及しているにも関わらず,こうした補償金制度自体の存在について,消費者への周知が徹底されていない現状は,経済産業省としても問題だと考えている。ある消費者団体の幹部によれば,10の消費者団体のうち本制度を知っていたのは1団体のみだったという。消費者個人のレベルでは,多くの人がこの制度の存在を知らないのではないかと思う。 さらに,現在の仕組みでは,著作物を私的コピーしない消費者も補償金を負担していることになる。このような消費者を救済するために,著作権法は補償金の「還付制度」も設けているが,「複製していない」事実を消費者自身が立証しなければならないこともあり,活用されておらず,事実上は形骸化している。(次回へ続く) |
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