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「特許審査の順番待ち期間を世界最高水準に短縮していく」
特許庁長官・中嶋 誠氏が表明
[2005/10/20]

特許庁長官・中嶋 誠氏 特許庁長官の中嶋 誠氏は,「知的財産シンポジウム2005」(2005年10月14日,東京都内)において,「特許審査の順番待ち期間を2013年には世界最高水準の11カ月間に大幅短縮する」と述べ,同審査の迅速化を積極的に進める姿勢を示した。
 特許審査の順番待ち期間は2004年時点で26カ月間,同件数は約61万件におよぶ。ここ数年は特許の審査請求数が審査の着手数を超えており,特許庁は2008年に待ち時間が最長になると予測している。2004年に成立した特許審査迅速化法に基づき,同庁は任期付審査官の大幅増員などを通じて対応している。

初代の知的財産政策室長などを歴任
 2005年9月に特許庁長官に就任した中嶋氏は,1989年に通商産業省(現:経済産業省)に知的財産政策室を設置し,同室の初代室長に就任した(関連記事)。特許庁長官の就任前は,経済産業省の貿易経済局長を務め,国際間の知財施策などに関わった。
 中嶋氏は,(1)研究開発の戦略的推進と効率化,(2)研究成果の実用化・事業化,(3)国際標準化戦略の推進,(4)地域における科学技術振興,を2006年以降の知財政策上の課題に挙げ,「特許庁の業務もこれらの目標に沿った形で進める」と述べた。
 具体的には,(a)特許審査の迅速化,(b)「世界特許」(関連記事)などの実現に向けた国際的な制度調和,(c)団体商標などを通じた地域ブランドの活用と保護,(d)知財の創造を後押しする多様な支援事業,を推進している。

「企業の特許戦略の効率化が特許審査の迅速化には不可欠だ」
 特許庁は,(1)任期付審査官の増員,(2)審査業務のアウトソーシング化,(3)特許料金体制の見直し,(4)出願人による先行技術調査の促進,などを通じて特許審査の迅速化を図っている。しかし,審査請求の順番待ち期間は21カ月間(2004年時点)と,米国や欧州に比べて長い。審査官1人当たりの年間審査処理件数を見ると,米国の81.6件,欧州の47.1件に対して,日本は205.1件と大きく上回っている。「組織的にはオーバーワークの状況」と中嶋氏は指摘する。この背景には,2003年の審査請求料の引き上げの際に多くの企業が審査請求を急いだ結果,請求が集中してその処理がこの数年間にピークを迎えると見る。このピーク期を乗り越えた後に,「2013年をめどに審査順番待ち期間を11カ月間に縮める」との目標を掲げる。
 審査待ち時間の短縮を含め,特許制度の効率的な運営のために,中嶋氏は,「企業による特許出願や審査請求の効率化が不可欠である」と述べた。「企業は特許の質を精査し,厳選して出願などをすべき。これは知財戦略上も財産としての価値を評価することにつながり有用である。また,出願・審査業務は,各企業だけでなく制度を運用する国にコストを要しており,日本全体としての知財戦略を考える上では無用なコストを削減することにつながる」と述べ,産業界の協力へ期待を寄せた。
(河井貴之=日経BP知財Awareness編集)


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