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経産省 参事官/模倣品対策・通商室長・吉田雅彦氏
経産省 参事官
模倣品対策・通商室長
吉田雅彦氏
模倣品・海賊版問題で中小企業が被る被害は甚大
経産省 参事官/模倣品対策・通商室長・吉田雅彦氏インタビュー(5)
[2004/10/18]

 「中小企業こそ経営課題として知財に取り組むべきである」。最近,このような指摘が行政,民間を問わずさまざま方面から挙がっており,経済産業省では中小企業を対象とした知財関連の施策や情報提供を重視している。特に模倣品・海賊版問題は中小企業にとって死活問題につながるおそれがあり,早急の対応を望む声が強い。経済産業省製造産業局の参事官/模倣品対策・通商室長である吉田雅彦氏と,特許庁国際課の模倣品対策第一係長である西田拓也氏に,中小企業における模倣品・海賊版問題の現状と今後の対策について聞いた。全5回連載の最終回である。
(聞き手は河井貴之=日経BP知財Awareness編集)

「知的財産推進計画2004」で重点課題とされた中小企業対象を施策について,どのような取り組みが行われているのか。


 長期的な観点から,中小企業による知財への取り組みを促進することは,各企業の経営力を強化して,ひいては日本全体の産業構造を強化することにつながる。従来の下請を中心とした業態から,企業が持つ独自の技術を知財として前面に押し出していくことで,収益性を高めたり,ブランド化を図ったりすることが可能になる。
 中小企業,特にメーカーの現状において,知財=技術は企業活動の根幹であり,非常に重要な経営資源である。国が進める中小企業を対象にした知材関係の取り組みは,(1)特許など出願の促進と審査費用などの援助,(2)技術の流出防止と秘密保持の促進,(3)模倣品・海賊対策への援助,が柱になっている。
中小企業における模倣品・海賊版問題には,どのような課題が含まれているのか。


 模倣品・海賊版問題について,中小企業が被る被害の影響は大企業に比べて相対的に大きく,死活問題につながる。さらに,大企業では独自の被害調査や対応が進む一方で,中小企業では費用の問題や人材の不足から対応が十分ではない。こうした状況を改善すべく,支援策が必要であると認識している。
中小企業向けの最近の取り組みとしては,どのようなものがあるか。


 最近,中小企業の知財担当者へ向けた情報提供の一環として,2004年4月に経済産業省は「誰でもわかる! 取引・連携で知的財産を守るためのポイント(知的財産,企業秘密保持への指針)」,と同「参考文例集 契約書・誓約書」,「付録」などを発行し,配布している。これらは,実務の場で生じる可能性が高いトラブルの事例や対応のポイントを簡潔にまとめたものだ。編集委員に弁護士,弁理士,学識者,そして企業実務者を迎えて制作した結果,実践的なものになっている。
西

 企業秘密の保持や技術漏えいの防止など,知財管理の必要性は企業規模,業態に関わらずすべての企業において必要な姿勢である。現に,トラブルの相当数は国内における取引の中で発生している。パンフレットで紹介した事例などを通じて,各企業には自社に関わる問題として認識してほしい。
中小企業が抱えるコスト面の問題について,何か具体的な対応策はあるのか。


 知財の構築という面では,既存の中小企業支援に関する施策,あるいは,例えば独立行政法人・中小企業基盤整備機構などの組織の支援活動の中には,知財への取り組みを通じて十分に活用できるものが多数ある。「中小企業創造活動促進法」,「創造技術研究開発事業」,「中小企業活用支援法」などである。これらの存在を改めて周知して,さらに企業による活用の促進に注力したい。
 模倣品・海賊問題への新たな対応策として具体化しているものとしては,自社が持つ知財に関する侵害調査を中小企業がスムーズに実施できるように国として助成金を設けるべく,2005年度予算請求を行っている。
 以上に加えて,経済産業省内の審議会では中小企業の知財活用に関する支援を含め,総合的な施策を策定中である。知財活用については,国としての取り組み以外にも自治体や公的機関,民間機関などさまざまな主体が推進する対応が盛んになっている。こうした動きも視野に入れつつ,実効性の高い対応策を検討している。

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