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知的財産検定は学習のインセンティブに 知財教育や人材育成が盛んになる一方で,新たな課題として浮上しているのが,その教育効果をいかに測るかである。社内で統一的なレベル認定や資格といった客観的尺度を設けることは難しい。知財関連の資格としては弁理士があるが,難易度も高く,また業務と受検勉強の兼ね合いなどを考慮すると,取得を積極的に奨励するのは容易ではない。 今回,知的財産検定に注目した背景にはこのような状況があった。容易に知財知識を学習できて,かつ資格認定という形で進捗をチェックできる点は,知的財産検定の大きなメリットである。資格認定という具体的な目標があることによって,学習へのインセンティブにもなる。 第1回の検定では,知的財産センター員を受検させることにした。8名が受検対策セミナーを受講し,13名が検定に挑戦した。検定は2級のみの実施だったため全員が2級を受検し,合格した。今後はセンター内のおおまかな基準として,入社1〜2年目の者が2級を,3〜4年目の者が1級を受検することを検討している。検定はキャリアに応じた必要知識の目安にもなる。 知的財産検定には,当社の場合,実務に直接関係しない著作権や意匠権といった分野も出題範囲として含まれる。当初は戸惑いもあったが,セミナーで講義を受け実際に検定で問題を解いてみると,これらも知財パーソンとしては最低限必要な知識だということがわかった。逆に,検定があったからこそ,こうした知識を広げることができたともいえる。 検定の結果については,合格率に注目した。合格率によって,検定の位置付けがわかるからである。合格率43%という数字は当初私たちが予測していた「30%位」よりは高かったが,難し過ぎず,また簡単でもない,バランスの取れた検定だったと考える。 知財学習のプロセスとしても有効 将来的には,全社的な知財教育にもこのような効果の測定が必要だと考える。知的財産検定については当面,知的財産センター員が受検した上で,他の部門に広げることを検討したい。2級については基礎知識を問うレベルということで,知財を学び始める社員などに適する。 知的財産検定のような第三者による客観的尺度は,社内のスタンダードに加えて必要だと考える。単に,合格・不合格を見るという意味ではない。「どういう分野を勉強したのか」,「どんなテキストを使ったのか」,「レベルはどの程度か」。受検前の学習から実際の受検,そして結果の判定まで,知的財産検定という1つのパッケージが,こうした細かな評価の物差しとして利用できる。 受検者にとっても,合否という形で自分の能力を測れるのは有益である。それに,仮に合格できなくても,学習した知識は蓄積され,必ず生かすことができるだろう。こうした点からも,知的財産検定は知財学習の1つのプロセスとして評価できる。 シリーズ - 先進企業による知財人材育成の取り組み |
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