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【シリーズ】先進企業の知財戦略(2) 中国における知財リスク管理は重要な経営課題 バンダイ・法務部(下) [2005/07/08]
「キャラクタ・マーチャンダイジング」の先駆的な存在であるバンダイにとって,知財の保護は事業戦略上も大きな課題である。国内外での競合品,模倣品,海賊版対策について,本社・法務部が中心になって推進している。模倣品・海賊版製品が氾濫している東アジア地域での対策を中心に,同社が進める中国戦略の狙いなどを法務部・ゼネラルマネージャーである小薗江健一氏に聞いた。(聞き手は河井貴之=日経BP知財Awareness編集) 2002年時点で模倣品・海賊版の被害額は約120億円に 模倣品・海賊版製品への対応は知財業務という枠組みを超えて,当社の事業戦略においても重要な課題である。模倣品・海賊版製品の多くは東アジア諸国で製造されているが,こうした不正製品の流通は世界各国に及び,当社独自の調査では,2002年時点で約120億円相当の被害が発生している。 模倣品・海賊版製品の発生は,三重の意味でリスク要因となる。当社事業に対する直接の被害に加えて,キャラクタなどの版権者の権利も侵害されていることを意味する。何よりも,顧客保護の観点でこうした偽物は看過してはならないと考えている。当社では,模倣品・海賊版の流通に対して厳格な権利行使を実施しつつ,製造工場の摘発を現地国当局に働きかけるなどして,発生源から抑止する根本的な対処を図っている。 「中国での取り組みが今後の知財戦略に大きく作用する」 模倣品・海賊版への対応を含め,今後の知財戦略の成否には,中国における取り組みが大きく作用すると見ている。 当社にとって中国は最大の生産拠点であり,数百のライセンス生産先で全製品の約80%を製造している。残りは,10%をタイで,10%を日本国内で製造しており,中国が占める役割は突出している。最近は中国国内での商品需要が拡大しており,市場としても重視している。 技術流出の防止など包括的な知財管理を本社が直接実施 従来,中国での生産のほとんどが中国国外への輸出を目的とし,輸出した製品を中国国内に「逆輸入」する仕組みだった。こうした流通形態の見直しなども含め,新たな中国戦略は,専任部署である「中国拓展部」が中心になって構築している。法務部では,新たな知財戦略における契約業務や,権利行使といった局面で支援していく。 具体的な取り組みとしては,本社の法務部が主導して,既に締結済みの生産委託契約とは別に,「バンダイ」というCI(corporate identity:企業ブランド)に基づく商標ライセンス契約を各工場と結ぶ。こうした契約を通じて,模倣品・海賊版製造の原因にもなる技術流出の防止を目指し,ライセンス商品やその金型の管理の徹底を要求する。さらに,従業員のモラル(士気)の向上,製造工程での安全確保や健康管理など,大局的には知財リスクになる可能性を含む労務管理的な要素についても指導していく方針である。 「バンダイナムコホールディングス」設立と知財戦略の行方 先に述べたとおり,事業の拡大に伴い当社が扱う知財は広範囲に及び,知財業務は日増しに複雑化している。法務部が単独,あるいは社内だけの対応には限界があるため,グループ企業や事業パートナーである版権者と連携した知財業務を重視している。中国戦略については,中国に進出している同業あるいは他業種の日本企業とも協力関係を拡充しており,経済産業省と産業界による中国への「官民合同ミッション」にも参加している。 当社は,2005年9月にナムコとの間で「バンダイナムコホールディングス」を設立し,経営統合する予定である。今後,両社が一緒になってエンターテイメント産業における新たなビジネス・モデルを構築していく上で,現ナムコの知財部門との連携は不可欠であり,両社が所有する知的財産権や契約に基づく権利を最大限に生かせるような知財を目指したい。(前回の記事) ![]() ※中国国内でも人気の高い「機動戦士Zガンダム」のプラモデルの真正品(右)と模倣品(左)。模倣品は,登録商標である「GUNDAM」「BANDAI」を意図的に使用していないが,明らかにデザインは酷似しており,「形態模倣」として中国当局によって摘発された。(©創通エージェンシー・サンライズ) |
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