 |



ロイヤリティ収入の替わりにデザイン・ウィンを狙う
この第4段階の“toll collection(使用料徴収)”では,自社の持っている特許を必要とする他社を見付け,そこからライセンス収入を得る。このため,特許に対する戦略は「合理的なロイヤリティが得られるならば,ほとんどすべての特許をライセンシングしていくこと」になる。企業によっては,第1〜3段階を飛ばして直接この段階に入る。ただし,メーカーにとっては製品を作って売るという戦略と,この特許戦略は矛盾する場合が多い。
第5段階は“synergistic use(シナジー効果のある使い方)”であり,“enabling(可能化)”と“business support(ビジネス支援)”の二つに分かれる。このうち“enabling”段階では,自社の技術のうちライセンス可能なものと,そのライセンス可能な技術に興味を持つサード・パーティ企業を見付けることが必要になる。このため,特許に対する戦略は「技術と共に特許をライセンシングし,その特許の価値やロイヤリティを高めること」になる。ただし,マーケティングや技術移転は難しい作業であることを覚悟する必要がある。一方“business support”段階では,ユーザーやサプライヤを集めるといった自社のビジネス推進に必要な作業の支援に特許を使う。すなわち,ロイヤリティ収入の替わりにデザイン・ウィンやビジネス収益拡大を達成することになる。
クロスライセンスより共同開発による特許の共同所有の方が有効に
また同氏は多くの特許が関係する半導体・コンピュータ産業では,クロスライセンスより共同開発による特許の共同所有の方が合理的であり,日本でも今後5〜10年で,このような特許の共同所有を目的とした共同開発が増えるだろうと予想した。(今回で終わり)
(長廣恭明=日経BP知財Awareness副編集長)
( 前回の記事)

|
 |





<過去の連載>

|