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「専門スタッフと現場での人材育成を通じて,知財経営を推進」
――コクヨに聞く [2004/02/18]
家具・文具大手のコクヨは,知的財産部門スタッフを大幅に増やすとともに,現場での知財関連の取り組みを強化している。同社知的財産戦略部長の西形治郎氏に,知財戦略を人材育成面から尋ねた。

(聞き手:村中 敏彦=日経BP知財Awareness編集委員)
コクヨ 知的財産戦略部長 西形治郎氏


知的財産関連の人材育成に,コクヨはどのように取り組んでいるのか?
 コクヨでは,コーポレートの知的財産専門部門である「知的財産戦略部」のスタッフと,現場での人材育成を,クルマの両輪ととらえて,知財経営を推進している。
 知的財産戦略部の要員は中途採用や開発部門からの異動を通じて,ここ数年で約3倍にまで増強した。現場感覚を身に着けた知財専門スタッフを育成するために,知的財産戦略部の一部のスタッフを,カンパニー(事業部門)に駐在することを2003年9月から試行しているところだ。


中国を含め,知財の侵害が疑われる情報を現場に発見させる
現場での人材育成の取り組みは?
 知的財産戦略部の窓口となる人材を現場に配置し,現場での知財意識を高めることが基本的な考え方である。特に,開発・研究部門のスタッフが知財意識を強化することと,他社がコクヨの知財を侵害している可能性のある情報を上げてもらうことに力点を置いている。
 その取り組みの一環として,知財の侵害発見データベースを構築しているところだ。このデータベースを活用すれば,意匠権や特許権など知財の専門用語を知らなくても,営業マンが,知財の侵害と疑われる情報を発見し,知的財産戦略部に知らせてもらうことが可能となる。例えば,椅子の動き方にしても,知財の侵害に相当する事例がある。
 もう一つは,コクヨの中国での特許権に関するデータベースを現地法人に開放する準備を進めている。当面は250件程度をデータベース化する。権利侵害が多いとされる中国では,侵害に関する具体的事実を早期に発見して,対応策を打つことが重要だ。その武器として,このデータベースを活用させたい。


人材評価基準として知財検定に期待する
知財関連人材の評価基準は,どのようなものか?
 現在,日本の知財関連の試験は,いきなり,最終合格率が数%の弁理士試験しかないのが実情だ。弁理士資格を保有しているからといって,企業での実務能力があるとは必ずしも言えない。一方,社内的には,知財分野は専門性が高く,人事部などから見て人材評価が難しいという傾向があった。
 企業の知財実務に即した多段階の資格が必要だと考え,社内で検討していたところ,2004年に知的財産検定がスタートすることとなり,大いに期待している。この検定は,企業の実務をカバーし,4段階の認定をするものだからだ。社内の開発・研究部門にも受検を薦めたいと思う。知的財産検定が世間で広く認められ,スタンダードとなり,受験者層や認定者層が広がってくれば,知財専門要員の中途採用の目安として活用できるだろう。


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