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「知的財産権のポートフォリオのマネジメントが重要(上)」 ―― NEC会長の佐々木元氏[2004/02/26]
NEC会長の佐々木元氏は1月27日,「国際特許流通セミナー」(主催:独立行政法人工業所有権総合情報館)の基調講演で,同社の事例を中心に企業の知的財産戦略のあり方について語った。 件数の管理から,新たな価値のマネジメントへ 現在,研究開発パラダイムの転換が起きている。従来は,「基礎研究」,「応用研究」,「実用化」が直線的に進んでいたが,今後は,異分野の知見を即時に導入できるような,研究開発のシンクロ化が求められる。研究開発を企業だけで自己完結させるやり方の限界は見えている。大学が基礎研究をより充実させ,企業が顧客志向の応用研究を進めるような形で,産官学連携を進めることが重要になる。 これと対応する形で,企業は知的財産権のポートフォリオ・マネジメントを行う必要が出てきた。従来は,例えば特許の出願件数とか登録件数とか「数」の管理が主体だったが,今後は,新たな価値をいかに生み出すかという「質」のマネジメントが主体になる。 事業の重要度と技術の強さの2軸で管理 知的財産権のポートフォリオ・マネジメントの基本的な考え方は,知的財産権を,「事業の重要度」と「技術の強さ」という2つの軸で見ること。両方ともに大きい場合は「戦略的事業領域」と位置づけ,事業戦略/研究開発戦略/標準化戦略と連携させ,「make or buy(作り出すまたは買う)」の手法で特許網を構築する。逆に,両方ともに小さい場合は,「譲渡対象領域」と位置づけ,研究開発活動を縮小し,購入顧客がいれば収益化を図る。 一方,技術は強いものの事業の重要度が低い場合,「収益化領域」と位置づけ,多様な方法を駆使した売買を志向し,その取り引きのために知的財産の補充を考える。 知的財産権のポートフォリオ・マネジメントを別の角度から見ると,「知的財産の戦略的活用による収益源のオープン化」と,「社外資源の戦略的活用による資源のオープン化」を,ともに進めることだとも言えよう。 また,別の角度から見ると,知的財産権を企業価値向上に結びつけるための道筋が,多様化することを意味する。従来は,知的財産権を自社製品に組み込んで収益化し企業価値向上につなげるのが基本だったが,今後は,自社製品に組み込まずにライセンスや売却を通じた収益化の道筋もあり,IR(インベスタ・リレーションズ)や広報などの情報発信から直接に企業価値向上を目指す道筋もある。(次回に続く) (まとめは村中 敏彦=日経BP知財Awareness編集委員)
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