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税関差し止めに関する相談が増加 日本企業が自社の基幹事業の技術に関して,アジア企業を提訴したという点で特筆すべき特許紛争が,富士通,シャープと,ここ数カ月で相次いだ。2003年4月に施行された改正関税定率法を基に,東京税関に対して,特許権侵害品の輸入差し止めを申し立てることで輸入を停止し,実際に威力を発揮した点でも注目される。 裁判所に輸入や国内販売の中止の仮処分を求めて決定が下されるのに半年程度かかるのに比べると,税関での差し止めは1ヵ月以内と迅速な判断が下るので,訴える権利者側にとって効果が大きい。富士通,シャープの事例を見て,税関で特許侵害品の輸入を差し止められるか,という相談が増えている。 「稽古をつけてやろう」 特に,富士通が2004年4月,PDPの基本技術に特許侵害があったとして,韓国Samsung SDIを日米で提訴した案件は,アジアで最も強力なライバル企業を日本企業が初めて提訴したという点で,歴史的な意義をもつ知的財産権紛争である。1990年代まで,欧米企業が特許権や著作権を侵害しているとして日本企業を提訴する流れが続いていたが,2000年代に入って紛争のプレーヤが変わり,日本企業がアジア企業を提訴する端緒となる事件と位置付けられるだろう。 柔道で言えば,「先輩として稽古をつけてやろう」といった感覚に近いかもしれない。日本政府の強力な啓蒙活動により,自社の知的財産権は裁判を通じてでも積極的に主張していくべきといった気風が,保守的な日本企業の経営者の中にも芽生え始めたようだ。 知的財産権を行使する必要に迫られる 品質に明らかな差があれば,同じ粗悪品を何回も買うような消費者はいないはずだ。しかし,品質に大差がなければ,価格の安い模倣品を選ぶ消費者も出てくる。一部のアジア企業は急速に技術力を付けて来ている。 そのため,知的財産権の創造に要する研究開発投資の負担を軽くして,市場拡大をもくろむアジア企業に,知的財産権というくさびを打ち込む必要がある。海外企業の攻勢によって落ち込んだ収益を改善するためには,法的には独占排他権,経済的にはマーケット・コントロール権である知的財産権を行使する必要に迫られていると言えよう。(談) 詳細については,日経マイクロデバイス2004年8月号の特別企画記事「勝ち組は“知財”で攻める」を参照。 |
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