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横浜市が民間との協働で知的財産戦略推進計画を独自に策定 2006年1月18日にシンポジウムを開催 [2006/01/13]
市内企業3,000社にアンケート・ヒアリング調査を民・学・官協働で実施 横浜市は,2004年7月に「政策の創造と協働のための横浜会議」を通じて,民間との協働研究テーマに「産業政策としての知的財産政策」を採択,これを受けて横浜市経済局とNPO法人の「PPI(政策過程研究機構)」が政策の方向性などを共同で検討した。 2005年度は有識者による研究会の設置に加えて(表1参照),横浜市内の企業3,000社を対象としたアンケートやヒアリング調査などを実施し,知的財産への取り組み状況,ニーズ,課題を抽出した上で具体的な施策や推進体制のあり方を「横浜型知的財産戦略推進計画」として取りまとめる作業を進めてきた。 表1:横浜型知的財産戦略研究会・委員
【事務局】吉田 正博氏(横浜市経済局・経済政策課長),村田 章吾氏(NPO法人PPI・産業政策ユニットマネージャー) 産業構造の転換に対して知的財産を通じた地域資源の有効活用が急務 横浜市は,国際港湾である横浜港や京浜工業地帯を中心に素材産業,機械産業といった製造業を中心に発展してきたが,近年は京浜臨海部で生産の空洞化が生じるなど産業構造が急速に変化している(表2参照)。その一方で研究開発・試作機能に対するニーズの高まりやバイオなどの新しい産業の集積が生じており,基盤的な技術力を持った地元企業や人材の存在,さらにインフラの充実が「強み」として注目されている。こうした地域資源(ポテンシャル)を有効に活用するためにも,各企業では知的財産を重視した独自性・競争優位性の高い事業展開が必要になっている。 横浜型知的財産戦略の意義について,鮫島氏は,「技術に関して中小・ベンチャー企業に欠けている(ア)知財マネジメントの考え方,(イ)リスク・マネー(金融)の確保,この2つの課題の解決」を挙げる。中小・ベンチャー企業にとって「自社が有する技術を知的財産化し,大企業に対抗すると共に,競争力を付けることは本来的に重要な姿勢だが,知的財産に対する理解不足から従来はほとんど取り組まれて来なかった」(鮫島氏)。このため,良い技術を持ちながらも事業として成功できない企業が数多く存在するという。今回のプロジェクトは,こうした中小・ベンチャー企業に対して知財マネジメントの考え方をコンサルティングすることを第一の目的としており,「単に企業の発明を発掘したり技術を売り出したりすることではなく,企業の現状を分析し,経営競争力の観点から『どのような知財ステージにあるか』,『どのような知財マネジメントを導入すべきか』といったソリューションを提供していく」(鮫島氏)。さらに,投資家や金融機関に対して企業の競争力や価値を分かりやすく訴求できるようになり,金融財政的にリスク・マネーの投融資へつながることが期待できる。この結果,中小・ベンチャー企業は技術開発や知財管理のための資金を獲得でき,競争力確保において知財を発端とする「正のスパイラル」を創造できるメリットがある。 表2:横浜市の生産額の推移
1月18日に開催されるシンポジウムで鮫島氏などが講演 2006年1月18日 に開催されるシンポジウムでは,研究会委員の鮫島氏,桜井氏,塚越氏がトーク・セッションを通じて横浜型知的財産戦略を紹介するほか,企業による知的財産経営の成功実例の報告や知財コンサルティング実務のプレゼンテーションによって実務的な知財戦略構築の方向性を明らかにする。鮫島氏は,「企業の競争力・価値に着目して地方自治体が知財コンサルティング・サポート体制を整備することは日本初の取り組みであり,地方自治体の土俵を借りながら民の資金とノウハウを活用する点でも非常にユニークなモデルだ」と述べ,「横浜型」の枠を超えて各地域における知財関連施策のモデル・ケースになることを強調する。 (河井貴之=日経BP知財Awareness編集) |
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