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建設業界における特許の位置付け 建設業界における特許の位置付けは,例えば電気製品などの製造業における特許の位置付けとは大きく異なる。第1に,製品の機能や部品などに関する,いわゆるモノ特許ではなく,建物や土木構造物の作り方に関する工法特許が多い。工法特許は,特許侵害の発見や証明がモノ特許に比べて難しい。第2に,建設業は複合技術産業であり,ひとつの特許で事業全体を押さえることが困難である。加えて技術が全体に成熟しており,例えば超高層ビルでも,建設のために使う特許は電気製品などに比べてかなり少ない。第3に,特許の海外展開の位置付けが異なる。工法特許の特徴を考えると,諸外国に出願しても,それが必ずしも有効な戦略的手段になるとは限らない。 こうした特有の背景から従来,建設業界における知財戦略は他の業種と比べるとあまり目立たなかった。しかし近年,業界内で競争が激しくなるにつれて,品質や技術を前面に押し出して勝負する場面が増えた。こうした動きに連動して,知財戦略の重要性は飛躍的に大きくなってきた。各社とも独自技術の開発に注力し,並行して権利化を促進している。さらに,権利取得だけではなく他社による侵害状況を調査するなど,権利保護の面も強化している。 全社員に向けて「知財戦略」を発表 2003年10月,当社は全社レベルの包括的な知財戦略を策定し,社長と技術センター長の連名で社内に発表した。この知財戦略は9項目から成り立っている。当社は従来から知財への取り組みに力を入れてきたが,全社員に向けて改めて知財戦略を示したのは,当社が事業戦略の中でいかに知財を重視しているかということ,そして,知財は全社員が取り組むべき課題であることを示すためである。 知財戦略には2つの要素が不可欠である。(a)事業戦略との密接な連携,そして(b)研究開発戦略との密接な連携である。当然,全部門,全社員が係わらねばならないが,各部門,各社員によって知財への係わり方は異なる。重要なのは,各々の業務を通して当社の知財を常に意識することである。例えば研究開発部門には,強い知財づくりを念頭に置いた研究開発を期待する。現業部門には,自社の知財が侵害されていないか,逆に他社の知財を侵害していないか,ということに,常に留意してほしい。 以上に加えて,グループ企業全体の知財力向上を推進している。グループ全体の知財管理の強化や,知財に関する社内規程の整備などを指導している。 「知財立国」の提唱など行政が大きく「知財重視」へハンドルを切ったことで,製造業はもちろんのこと建設業界の姿勢も大きく変化してきた。業界において当社が知財戦略を重視していくことは,建設業界全体をリードしていく一端となる。 |
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