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武田薬品工業の知的財産戦略(下)
情報管理システムや日米欧3極戦略を推進
武田薬品工業常務取締役・知的財産部長の秋元浩氏
[2004/07/22]

 武田薬品工業常務取締役・知的財産部長の秋元浩氏は,このほど開催された「企業経営と知財マネジメントの実際」と題するセミナー(主催:インテクストラ)で,「企業経営と知財情報戦略」について講演した。秋元氏は最近の取り組みについて紹介した後,「企業を生かすも殺すも知財戦略次第」と断言した。
(まとめは河井貴之=日経BP知財Awareness編集)


知財情報の管理システムを構築
 武田薬品工業は1995年から,知的財産の有効活用に注力している。「特許は会社の核」,「権利保護と情報管理が知的財産戦略の両輪」との考えに基づいて,取り組みを進めた。これにより,1995年当時に100億円程度(単独)だった知的財産権収益は,2003年度の662億円(単独)に大幅に増加した。
 さらに,最近注力している2つの取り組みを紹介する。
 第1に,知財情報の管理システムの構築である。知財に関する情報データベースを構築し,情報管理に活用するものである。情報は大別して,(1)研究データ,(2)開発データ,(3)人的データ,などから成り立つ。情報を一元化してデータ・コントロールの効率化を図る一方,情報を必要とする部門に,必要な情報だけを提供するアクセス制限を行っている。データベースの管理者は厳格にシステムを運営する必要がある。
 データベースの全情報にアクセスできるのは,各本部長など役員クラスに限定している。情報の中には,10年先の事業計画に関するような,極めて重要な情報も含まれているためである。データベースの情報に加えて,スキルのある社員は,データベースにない,学会での動向や,自分で調べた調査などの情報を入手している。

日米欧3極で知財戦略を展開
 第2は,日本,米国,欧州の3極を軸とした知財戦略の展開である。この目標は,3極を連動させたプロフィット・センターを構築することにある。この3極を拠点として,後発品や競合品に向けた対応策も積極的に展開している。ケースに応じて,「予防」や「攻撃」,「防御」を柔軟に進める。
 これからは,「企業を生かすも殺すも知財戦略次第」,と言い切ることができる。経営戦略と知財戦略を融合し,真のプロフィット・センターとして知的財産部を構築していかなければならない。グローバルな観点から,常に「無」から「有」への挑戦を行う。「改善」ではなく,「革新」が目指すべき目標である。


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